クリニックは「手術を失敗した例はない」と説明しましたが、 正しくは「失敗したと認めた例はない」だと思います。

30代女性

2007年手術

病院名:Sクリニック

手術の方式:イントラレーシック

 

 

■レーシックを受けたきっかけ

2007年にレーシックを受けました。

レーシックを受けた理由は小さいころから目が悪くて、眼鏡やコンタクトを

手放せなかったからです。裸眼視力は0.1以下でした。

お風呂に入るとき眼鏡をはずすと本当に何も見えず、からかわれて

眼鏡が嫌になりはずして歩いていたら、ポリバケツにぶつかったのに

わからず、「ごめんなさい」と謝るというギャグのようなこともありました。

 

大人になって、近視の眼鏡で目が小さく見えるのが嫌で手術を考えるように

なりました。つき合っていた彼氏からは「危ないから絶対にやめなよ」と

言われていたのに、東京の大手クリニック(レーシック難民の間では、

難民量産クリニックとして有名)で手術を受けてしまったのです。

手術の種類はイントラレーシックでした。

 

■術後の症状

レーシック手術を受けた後、半年くらいは快適に過ごせていたのですが

残業が数ヶ月続いた頃に、目がものすごく痛くなり始めました。

シャンプーが目に入っているときのほうがまだマシなくらいの痛みです。

あまりに痛いので目を開けて歩いていられなくて、仕事もとてつもなく

苦痛になりました。IT企業でパソコンの使用が多かったのも

目の痛さに拍車をかけました。

 

目が痛くなって分かったことですが、目が痛くなると「失明するのではないか」

というものすごい恐怖感が湧き上がるんです。目のことしか考えられなくなります。

 

お昼休みだと昔は「友達とご飯を食べに行こう」と思っていたのに、

「1時間目を休められる」としか考えられなくて、ひたすら机に突っ伏して

目をつぶっています。

 眠るときも「明日は何をしよう」じゃなくて

「明日は少しでもよくなっていますように」。

土日になると「今日はどこを散歩しようかな?」と考えていたのに

「これで2日間パソコンを見ずにすむ・・・」。

本当に異常な状態になっていたと思います。

あまりに辛いので上司に許可を取り、レーシックをしたクリニックに行きました。

 

■術後のクリニックの対応

痛くて目を明けていられないながら何とか裸眼視力を検査すると、

術後1.5くらいは出ていた視力は0.5くらいにまで落ちていました。

手術した人とは全然別のお医者さんが診たのですが、一通り検査をした後で

「目が痛くなった原因は分かりません」「角膜を1度目の手術で削りすぎて

いるから再手術は不可能です」とその時初めて宣告されました。

 

パンフレットには何度も再手術は可能みたいなことが書いてあったのですが、

実は私みたいに近視の度合いが強い人の場合、1回目の手術で角膜を削りすぎて

400ミクロン以下の厚みになってしまうので再手術は不可能な場合があるんです。

でも、術前に再手術が不可能だということは当然ながら、私には全く

知らされておらず、この時まで再手術は当然できるものと思い込んでいたのです。

そのため、パニックになり何も言えませんでした。

 

更に日本眼科学会が定めるガイドラインによれば

近視については,矯正量の限度を原則として6 Dとする。

ただし,何らかの医学根拠を理由としてこの基準を超える場合には、

十分なインフォームド・コンセントのもと,10 D までの範囲で

実施することとする。なお,矯正量の設定に当たっては,術後に

十分な角膜厚が残存するように配慮しなければならない。」とあります

私は-10D以上だったので本当は手術が適応外の患者だったんです。

でもガイドライン違反も、インフォームドコンセントも、

術前一切説明があ りませんでした。

 

■その他のクリニックのでの対応

その後セカンドオピニオンを受けに回ったクリニックでは

非常に冷たい対応を受けました。

ほとんどの眼科では「レーシック後に目が痛くなったんです」と言うと、

「ああ・・・」と言う感じの不思議な雰囲気が流れます。

係わり合いになりたくないような、仕方ないなあと言うような、

何とも不思議な雰囲気です。

 

私は術後に10以上のクリニックを回っているのですが、

今まで受診したクリニックの中で一番ひどい例は、

東京のとても大きな企業病院で、診療が終わった後に

「何の問題もない」と担当の女医さんににこやかに言われ、

「でも目が痛いんです・・・」と食い下がったら、

その女医さんが別の30代くらいの男性お医者さんを呼んできて

そのお医者さんに同じことを訴えたら態度が一変して

「何の問題もないと言ってるでしょう!」と怒鳴られたことです。

この病院は大きな病院で何かわかるかもしれないと思っていたので

すごくショックでした。

 

それからレーシック大手の関西の病院では

「ペーパー作業はそうでもないのですが、PC作業が辛い」と

訴えたら、角膜表面と眼底検査だけして

「あなたの精神の問題です。あなたとPCとの相性が悪いんです」

言われたこともあります。

この病院は大勢のレーシック希望者が押しかけていて人気の病院で

HPも立派でだったので、私も期待して行っただけにすごくショックでした。

それ以外の病院でも「ドライアイです」「眼精疲労です」と当たらずとも

遠からずなことを言うだけです。

 

■その後

10件以上医者を回って、最後の最後に経験豊富な眼鏡士さんによって

上斜位が発生していることがわかりました。

上斜位というのは、目を動かす筋肉に異常が生じ、両方の目で対象物を

見ようとするときに目の周りの筋肉に負荷がかかる状況です。

更に私は大手クリニックで過矯正の遠視にされていたので、遠視と眼位異常で

激しい眼精疲労と眼痛が発生していたみたいです。

ただ、結局10件以上眼科を回りましたが眼位検査までやってくれたのは

たった一件でした。

もちろんレーシック手術をしたクリニックには眼位検査はありません。

だから私の眼痛の原因がわからなかったのです。

レーシックの被害者には本当によくある話で、私の友達なんて明らかに

不正乱視にされているのに「あなたの精神がおかしい」と、精神科への

紹介状を書かれていました。

(⇒体験談⑥「手術後に不調を訴えると「手術は成功」と言われ、

精神科への紹介状を書かれました。」参照)

 

本当に日本の眼科医は、その中でも特にレーシックをする眼科医は

ヤブなだけじゃなく精神的にもおかしいとしか思えません。 

「原因がわかりません」といってくれるならまだ良いのですが、

どの医者でも「手術は成功しています」「あなたの精神がおかしい」という

結論になるんです。

ちなみにレーシック後に眼を動かす筋肉に異常が生じる(眼位に異常が生じる)

と言う論文は、アメリカでもベルギーでも、ポーランドでもイギリスでも

出ているんです。

 でも日本ではわずか3本で、しかもその論文を読んでいる眼科専門医

(ちなみに私の回ったお医者さんはほとんどが眼科専門医です。

手術した医者ももちろん眼科専門医です)は少ないようです。

現に私を手術したクリニックはQ&Aでも「レーシックで斜位が悪化することは

ありません」と書いています(証拠にそのページは保存してあります)。

 

何故こんなことが起こるのか理由が知りたくて眼科関係者何人かに

聞いたら、複数の方から

「医学生は学校では屈折について多いところでも10時間しか習わない。

しかも実習がない。さらに眼位の異常にいたっては教科書に記述があるだけ。

だからインターン期間中にで眼鏡の奥深さに自分で目覚めない限りは

眼位はおろか、屈折検査すらよく分かってない人が多い」という話を聞きました。

眼科の専門書でも同じことが書いてあるので、多分真実なんだろうと思います。

 

「眼鏡の工夫」
私たち眼科意外とめがねのことを知らないのでないか。
患者に眼鏡のことを聞かれても、処方箋にサインする以外検査員まかせ、
眼鏡店まかせになりがちで、めがねに対する知識も研修のときから

更新されないこともある

続 解決!目と資格の不定愁訴・不明愁訴』金原出版、2008年、P.268

 

そうでなければ10件以上眼科を回って1件しか眼位検査がなかった理由が

考え付きません。

 

その後たくさんの被害者さんと知り合い、今に至ります。

私みたいに術後眼位異常の患者さんにも何人か会いました。

被害者さんと知り合って思うのは、本来手術をされるべきではない方が

クリニックの金儲け手術のために手術され、人生をめちゃくちゃに

されているということです。

 

私の知り合いも屈折度数-10D以上なのに何の説明もなく手術され、

術後に自律神経失調のような状態になり、倒れて救急車で運ばれたりしています。

それに老眼の方。私に後遺症を負わせたクリニックは高齢社会に向けて

老眼レーシックを行おうとしているのですが、これはまだアメリカでは

認可されていない技術で、私は実際に被害者の書き込みを掲示板で

見たことがあります。

自分の親を守らないといけないので、親には絶対に受けないように

言うつもりです。

 

あと、術後の対応もまずいクリニックが多いです。術後の炎症や

ハログレアを抑えるために何も考えずにステロイド薬を処方する

医者もいますがこれが原因の緑内障で既に失明された方も存在します。

しかも複数人いるみたいですよ?

(提携HP近視手術の後遺症対策研究会「近視手術で処方される薬の危険性」

 厚生労働省にも日本眼科学会にも早く本格的な調査に乗り出してほしいです。

安全と認可したり、「眼科専門医から手術を受けてください」と主張したり

しているんですから。

クリニックの「日本では失明者は出ていません」と言う宣伝も

今すぐ修正すべきであると思います。

 

■レーシック希望者に一言

レーシックを考えている皆さんに伝えたいことが有ります。

私は自分と関係ない人が受ける場合、ひとまずリスク説明だけをしますが

最終的にはその人の決断に任せます。

ただ親兄弟が受けると言ったら死んでも止めようと思っています。

そう思う理由は、レーシックで後遺症を受けたときの眼科医の冷たさと

何もできなさ(何もしなさとも言える)が半端ではないからです。

 

私が受けたクリニックは術前「当院で失敗した例はありません」と

説明していたんですが、実は私の知っている被害者の多くがこのクリニックで

手術を受けて、「そのような事をいうのはあなたの精神がおかしいため」と

いわれています。

「失敗した例はありません」ではなく「失敗を認めたことはありません」と

いうのが本当だったんです。

 

■レーシックをしている医者に言いたいこと  

私はお医者さんと言えども失敗は有ると思います。

問題は後遺症が生じた場合にどのように治療してくれるかだと思うんです。

レーシックの後遺症で軽度のものは、私のようにめがねで多少軽減できる場合も

でも、レーシックをするクリニックは後遺症の存在を知っていても

認めようとしていません。

もしもその努力しているなら是非見せていただきたいです。

 

アメリカと日本の論文数の違いを記した表があるので、

この場に貼り付けておきます。

 

検索クエリ

 

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斜視

PubMedでの検索結果

47450

17876

521

265

631

NDL-OPACでの検索結果

145

6

0

0

1

PudMed=アメリカ国立医学図書館の医学論文サーチ
NDL-OPAC=日本の国立国会図書館サーチ
2012年7月9日検索実行

 

 

ちなみに私は、自分を手術したクリニックに「ガイドライン違反なのに

インフォームド・コンセントが何故なかったのか?」「重度の遠視になったが

原因はなぜか?」などの質問メールを何度か送りましたが、

インフォームド・コンセント違反の回答は一切ありませんでした。

私の施術クリニックはQ&Aのレスポンスは異常に早いのですが

なぜかそこだけ一切書かれないんですよね。

遠視については「遠視になることもございます」とだけ書かれて返ってきましたが、

それ以外の説明は特に無し。

別の知り合いはこのクリニックに勤めている警察OBから脅しの電話が

かかってきました。

 

ちなみに「眼鏡で多少軽減」と書いたのは、

完全に軽減できるわけではないからです。

私はPCを4時間使用する会社に勤めることは不可能だと感じています。

実際にある会社で一度働き出した後に眼痛で辞めざるを得なくなりました。

 

以前にレーシックの裁判があり、判決はインフォームド・コンセント違反のみを

認め、被害者の訴える遠視は「眼鏡をかければどうにかなる」という判断で

クリニックに50万円の支払いという判決でした。

でもこの状態になると決して眼鏡をかければ何とかなるレベルではないんですよ。

私も細かい字を読むとすぐに目が痛くなり、パソコンの字を可能な限り大きくして

仕事してます。そしてそれでも痛くなるのです。眼鏡をかけてもです。

どうしようもありません

(眼鏡をかけないとパソコンの前にいること自体が恐怖なレベルです)。

それを多くの方に知っていただきたいと思います。

私も家族に扶養されていなかったらどうなっていたかと思うと背筋が凍ります。

 

■一般の方に伝えたいこと

この文章を読まれてからもレーシック手術を選択される方もいると思いますが

後遺症はきついということを是非知っていただければと思います。

私も会社を辞めていますし、会社を辞めるならまだましで、

寝たきりになった人も知っていますから。

 私が一番悲しいことは、目が痛い時は目のこと以外のことは本当に何も

考えられなくなることです。子供が目の前にいる時でさえイライラして

目のことしか考えられません。人として終わっていると思います。

 

クリニックのステマとインフォームド・コンセントのなさは

2012年9月現在も相変わらずなので、これからも被害者が出ると思います。

それは自分には許せないのでこの文章を書きました。

 

読んでいただいた方、どうもありがとうございました。