2014年

9月

11日

品川近視クリニックと錦糸眼科が集団提訴となる模様です

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=104956
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=104956

2014年9月11日のネット版読売新聞によれば、レーシック大手の品川近視クリニックと錦糸眼科が集団提訴される流れとなったようです。

レーシック被害者の会の一人としてとても大きな一歩であると感じます。

 

集団提訴の流れを作ってくださった医療問題弁護団の皆様、勇気を出して集団提訴に踏み切ってくださった皆様、協力してくださった医療関係者の皆様に、心からお礼を言いたいと思います。

そして、提訴には参加していないがこの訴訟に結びつく流れを作ってくださった被害者の方々にも、いくら感謝しても足りない気持ちです。

 

集団提訴に関してですが、ここにいたるまでの道のりは非常に長かったと思います。

レーシックの被害に関して患者が内にこもらざるを得なかった理由は、患者と医者の間の圧倒的な知識の差にあると私は思います。

レーシック後に不調を感じ、施術クリニックにそれを訴えても、医者自身がそれを認めてくれないという状況があったのです。

 

たとえば過矯正というのは非常によく見られる後遺症で、削りすぎて遠視が発生するという症状です。こうなると眼精疲労やドライアイ、頭痛などの症状も発生し、仕事や生活に支障をきたしてしまった人も、被害者の会では珍しくありませんでした。

 

ここまでひどい症状なのですが、クリニックに訴えても

「+1.5までの遠視なら問題ない」

「辛いならめがねをかければよい」

「裸眼で1.5見えているのなら素晴らしいじゃないですか」

という答えが返ってくるだけであり、特に具体的な治療はありませんでした。

実際に遠視になっていることすら教えられなかった例もありました。

 

私が思うに、過矯正とわかっているのであれば、その時点で遠視の数値を患者に言うべきであり、遠視の正確な度合いを測る治療、たとえば禁忌を説明し適切か十分判断した上でサイプレジンやアトロピンなどを使用して、正確な遠視の度数を測るべきだったと思います。

また「眼鏡をかければいいじゃないか」と簡単に医者は言いますが、めがねを作成する場合は、一般的に医者の処方箋が必要になりますし、自分もそうですが、強い調節緊張がある場合、調節麻痺薬なしに正確な度数を患者自身で計測することは不可能なわけですから、その検査と処方は施術を行った医療機関で行われるべきであったと思います。

 

過矯正自体は遠視であり、新しい合併症でもなんでもないのです。従って治療の可能性があるのに、治療しなかったクリニックの罪は重いです。

 

また、ガイドラインが定められているのですから、これも昔からの論文に出ているとおり「過矯正の可能性が特に高い-10D以上の患者」は、そもそもそれを説明して手術しないべきだったのです。これも新しい発見でも何もなくて、2007年の日本語の論文で既に記載されていたことでした。

 

にもかかわらず、レーシックの価格競争が横行し、ガイドラインを破るのみならず、その後の患者の治療も行わないクリニックが増殖していくようになりました。

 

そのようなクリニックが提訴され、責任を追及されることは、社会全体にとってもよい流れだと思います。

 

 

■提訴によって期待すること

今回の提訴によって、以下のような項目が見直されることを被害者の会としては期待しています。

 

・ガイドラインの中に術前術後の両眼視機能検査と、サイプレジン以上の調節麻痺薬を使用した屈折検査を必須項目として盛り込む

特に過矯正の被害者の中には、調節麻痺薬を使うとそれを点眼していない場合と比較できないほどの潜伏遠視を持っている患者が多く見られます。このような人々は、そもそも年齢が年齢なので、よほど親身になってみてくれる医療機関でないと、本来子供に向けて行う潜伏遠視の検査をしてくれることはありませんでした。それゆえ「自分に合った治療」をすることもできず、離職した場合もありました。このことを受け、ガイドラインを改定し、上記検査を盛り込んでください。

 

・ガイドラインを超えた患者に対する手術を行った医者への専門医認定剥奪などの罰則を盛り込む

現在このガイドラインは破ったとしても何のペナルティも存在しません。自由意志に任せればできちんと守られないのであれば、認定剥奪などの何らかのサンクションが必要であると考えます。

 

・日本眼科学会の眼科専門医認定制度の見直し

レーシックの後遺症患者のほとんどは、日本眼科学会が認定する眼科専門医によって後遺症を発祥することになってしまっています。これでは何のための制度かわかりません。

 

・学校における視力検査の見直し

現在学校で行われている視力検査では裸眼視力がよい子供は何の問題もないとされますが、遠視のばあいは目が疲れやすくなってしまうので問題があります。また、両眼視機能検査なども現在はありません。視機能に問題がある子供が早い時期から、問題を発見できるレベルの医療機関を受診できるように、学校における視力検査の内容を見直すべきです。それができない場合は、認定の医療機関を幼いうちに必ず受信できるような流れが作られるべきです。

 

・眼鏡処方できる眼科の見直し

現時点で、量販店の最も簡単な検査と変わらない検査の眼科が視機能の発達段階である子供向けに眼鏡を処方しています。眼鏡を処方できる眼科認定制度が必要です。

 

・特にインターネットでの医療広告全般の見直しと違反の厳罰化

レーシックの広告は紹介券、アフィリエイトから芸能人を使った広告など違法なものだらけでした。特に大手クリニックは不当表示など行政から指導を受けてもそれを改めませんでした。その理由は、ペナルティがメリットを下回っていたためだと考えられます。法制を変更し、違反した場合のペナルティがメリットを宇和丸ようにしなければなりません。

 

・レーシックのリスクもきちんと示した希望者向けのパンフレットの作成と配布の義務化

レーシックの被害がここまで拡大した原因には、日本人全体の視機能に関する知識(特に遠視のデメリットと近視のメリットに関する知識)が浅かったことが原因であると考えられます。たとえ裸眼視力が1.5でも、遠視の度数が強ければVDT作業などは困難になってしまいます。近視は遠くが見えにくいが近見作業が疲れにくい目、遠視は遠くは見えるが近見作業で疲れやすい目、そしてレーシックの限界として、たとえ正視を狙ってレーザーを照射しても、完全に正視になることは難しいことなどを希望者全員に理解させて手から選択させるべきです。

現在の説明では、インフォームドコンセントとしてきわめて不十分です。

 

損害に対する責任を負い、被害者に対して治療と保障が行われること

今更いうまでもないことですが、レーシックの被害者はこれまで非常に苦しんできました。それは先にも書いたとおり、医者自身が後遺症を認めず、治療しようとしなかったからです。

しかし、潜伏遠視やそれによる眼位異常など、あきらめない被害者や心ある医療関係者との努力のおかげで、レーシック後遺症に関するある程度のファクターが現在わかりかけてきています。

裁判によって被害者が救済され、損害が補償され、後遺症が治療され、このような人々がレーシック前の平穏な日常を取り戻せるように医療や制度のバックアップをお願いしたいと思います。

 

 

 

以上です。