見えるようにはなりましたが、目を開けていられなくなりました

この患者さんが現在使っている目薬です。
この患者さんが現在使っている目薬です。

30代女性

2010年手術

Aと言う機械を使用したZレーシック

 

中学から眼が悪くなり、牛乳瓶眼鏡との生活を余儀なくされました。

家族がコンタクトを使用していたこともあり、大学からはハードコンタクトをつけはじめました。当時、ハードコンタクトはとても高価で、また装着感もかなりごわごわしていたのを覚えています。大学後半になるとソフトコンタクトに代え、それからずっとソフトコンタクトと眼鏡を併用する生活でした。

2009年ごろから、同僚が次々とレーシックを受け始めました。
会社でレーシックがはやり、クーポン券をまわしながら、次から次へと

手術をしていたのです。
皆結果に満足していて、数年後に近視の戻りを訴える人は居ましたが、

ほぼ後遺症とは無縁でした。

レーシックを決意した直接のきっかけは、家族からの紹介です。
私よりも年上の家族が某クリニックで手術を受けたところ
「世界がかわった!もっと早くやるべきだった!」と感激していたからです。
それに、仕事で出張が多かったので1か月分以上のコンタクトレンズを

スーツケースに詰めるのから開放されると思いました。

それにコンタクトレンズが角膜細胞に悪いとも聞いたことがあったので、
家族にもらったクーポン券を持って同じクリニックで手術を受けました。

手術は無事に成功し、麻酔点眼をして保護眼鏡をかけたままタクシーで

家へ帰りました。
手術直後だったので視点はしっかりと合わず、ぼんやりとぼやけている感じは

ありましたが、街路樹の緑がきっきりはっきり見えて感動したのを覚えています。
裸眼でみる景色はこんなに美しかったのか!
眼が落ち着いたら、アフリカに行ってみたいなと思いました。
「大地に広がる緑と野生動物の姿を、この新しい眼で観ることができたら

どんなに素晴らしいだろうか!」と考えていたんです。

異変に気付いたのは、術後10日目辺りでした。
通常であればもう仕事に復帰でき、眼を風や埃から守る保護眼鏡からも解放されて、
レーシック後の世界を堪能し始めている時期です。
なのに私はまだ仕事にも復帰できずベットで横になったまま。
有給終了後に仕事には行きましたが、結局半日で早退し、その後はずっと

病欠を取り続けていました。

眼が痛くて痛くて、5分程度ですら眼を開いていられないのです。
滝のように目薬を使用しても、痛くて痛くて、目の表面がヒリヒリして

まるで新種の拷問のようです。

光が眼に突き刺さるようで、会議の際のプロジェクターを観ることすらできません。
家の中でも大きな黒いサングラスをかけて生活していました。
ほんの少しの風が眼にあたると、しゃがみこむほどの激痛です。
気まぐれに突風がふきつける地下鉄が恐ろしくなり、遠回りをしてバスで

移動するようになりました。
地下鉄の突風は、保護眼鏡の隙間からも目に突き刺さります。

1日が終わるころには、激しい頭痛・肩こり・全身の痛みで嘔吐。
痛みどめなどの薬を飲んでも、全く効き目がありません。
痛みのために寝られず、クリニックに了承を得た後は睡眠薬を使うように

なりました。

クリニックには毎日のように通っていました。
術後のドライアイがひどく出ているだけなので、処方されたドライアイ用の

目薬をさすようにと言われます。
「眼は綺麗に治ってきています。術後のドライアイがひどく出ただけなので、

数週間で痛みはなくなりますよ。
最悪でも1年たてば、必ずドライアイ自体が治ります。」
と、最初の2週間位は、目薬(ヒアレインとサンティア)をただひたすら

処方されました。
クリニック側が、「最悪でも2週間もすれば眼の痛みは落ち着きますよ」と

言っていたので素直に信じてしまったのです。

態度が急変してきたのは、3週間目頃です。
「そんなに痛いのはおかしい」「きっと仕事のやりすぎだから痛いんだ」
「あなた自身が過労だ」「精神的な問題かもしれない」
などと、日を追って逃げるような口調になってきたのです。

私の方が「この手術は失敗だったのではないか?こんなに痛いのはおかしいと思う」
といったクリニックに不信感をあらわす事を口にすると、
軽くクレーマー扱いするような態度になっていきました。

ドライアイの治療のため涙点プラグの話も出ましたが、もう完全に

クリニックに対しての信頼を失っており、
こんな所で再度眼をいじられるのはまっぴらだと思いました。

見かねた友達が別の病院を紹介してくれて、そこで涙点プラグを4箇所に

入れてもらいました。これでやっと少しは楽になりました。

現在、手術から2年たちましたが。「最悪でも1年たてば、必ずドライアイ自体が

治ります。」と言われたのに症状は徐々に悪化しているように感じています。

私は現在以下のような治療を受けています。
1) ジクアス、ヒアレイン、サンティアをさし、眼の痛みが強いのみ

 リンデロンを使用。眼科から処方されており、1か月に1度は通院。
2) 涙点プラグを4か所すべてに挿入しています。
3) パソコン使用時間を勤務時間のみにし、老眼鏡や、PC用メガネをかけています。
4) 外出時は、サングラスや伊達メガネをかけています。天気が良いと眩しくて

 眼を開けていられませんし、風がふくと痛くて眼を開けていられなくなります。

…このように、考えられる限りの方法で何とかしのいではいますが、

症状はひどくなってきています。

●ドライアイが治らず、10分も目薬無しで眼を開けていられない。

 とにかく眼がヒリヒリする。
●疲れたり、海外出張時に、眼の表面のヒリヒリが拷問のように痛くになり、

 眼を物理的に開けていられなくなる。
 仕事にならず、ホテルで寝ていた(眼を閉じていた)日もありました。
●蛍光灯、太陽の光がまぶしい

時々耐え切れないほどの痛みが襲ってくるのですが、そんなときは比喩でなく

眼をえぐり出したくなる思いに駆られます。
泥酔とかして前後不覚になる事があったら、本当にえぐりだすかもしれないと

感じています。

目の痛みが特にひどかった日をスケジュール帳に記録しています。
目の痛みが特にひどかった日をスケジュール帳に記録しています。

 

 通院先の眼科医院で、「これ以上の治療法は無いので、どうしてあげることも

できない」と言われてしまいました・・・。

レーシックを考えている人に言いたいのですが、私はこの手術をしてから、

仕事を減らさないと生活ができなくなり、転職までする羽目になりました。

レーシックをして、本当に後悔しています。
この体験談をちらっとでも眼にされた方、レーシックはやめてください。

私の場合、眼は見えるようになりましたが、眼を開けていられなくなりました。

本末転倒です…。

治療が難しくても私のような被害者を少しでも減らせるように、何かご協力できればと思いこの体験談を書きました。
読んでいただいてどうもありがとうございました。