翻訳資料

FDAリスク情報ページや被害レポートの翻訳を掲載しています。

FDA=食品医薬品局(FDA; Food and Drug Administration)は、

食品や医薬品、化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、

消費者が通常の生活を行うに当たり接する機会のある製品について、

その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカの

政府機関です。

日本で言えば、厚生労働省の下部組織に当たる機関となります。

アメリカでは日本の厚生労働省の下部組織にあたるFDAがレーシックの情報やリスクを掲載したページを作成している。日本にもこのようなページが待たれる。
アメリカでは日本の厚生労働省の下部組織にあたるFDAがレーシックの情報やリスクを掲載したページを作成している。日本にもこのようなページが待たれる。

翻訳資料①

FDA:どのようなリスクがありますか?どうやって自分に適切な医師を見つけたらいいですか?

 

(FDA「When is LASIK not for me?」

http://www.fda.gov/MedicalDevices/ProductsandMedicalProcedures/SurgeryandLifeSupport/LASIK/ucm061366.htm)

 

大多数の患者は屈折矯正手術の結果に非常に満足しています。しかしながら、他​​の医療処置と同様に、レーシックには関係リスクも存在します。屈折矯正手術の限界と起こりうる合併症を理解することが重要です。

屈折矯正手術を受ける前に、あなた自身の価値基準に基づいて慎重に手術のリスクと利点を熟考する必要があります。友人に影響されたり医師から手術を受けるように勧められて手術を受けるようなことは避けるべきです。

 

  • 失明する患者もいます。一部の患者は指標で測れるような視力を失います。メガネ、コンタクトレンズ、または手術でもこれを回復することはできません。
  • 一部の患者には視機能を低下させる症状が発生します。一部の患者は、グレア、ハロー、または(もしくは「それに加えて」)複視が発生します。これは夜間視力に深刻な影響を与えます。視標上は良好な視力が出ていても、一部の患者は治療前に比べて夜や霧の中のような状況下ではコントラストが低い状態になっているかもしれません。
  • 低矯正または過矯正になる可能性があります。メガネやコンタクトレンズなしで20/20(日本で言う1.0)の視力を獲得する患者は数パーセントに限られています。追加治療が必要になるかもしれません が、追加治療が不可能な場合もあります。手術後もメガネやコンタクトレンズが必要な場合があるかもしれません。あなたが唯一、手術前に非常に弱い(眼鏡や コンタクトレンズの)処方を必要としていた場合でもその可能性はありえます。あなたが手術前にリーディンググラス(老眼鏡)を使用していた場合は、手術後 もそれが必要な場合があります。
  • 重度のドライアイを発症する患者もいます。手術の結果、眼が十分に 潤い快適さを保つのに十分な涙を生産できなくなる場合があります。ドライアイは、不快感を引き起こすだけではなく、断続的なぼやけやその他の視覚的な症状 により視機能の質を低下させます。この状態は生涯続く可能性もあります。集中的な目薬による治療と涙点プラグまたは他の手術が必要になる場合もあります。
  • 結果は、一般的にどのような種類屈折異常であっても、屈折異常が大きい患者には良いものではありません。医者に自分の期待を話し、手術後も眼鏡やコンタクトレンズが必要になるかもしれないことを認識すべきです。
  • 遠視患者の場合、手術で回復させた視力が年齢とともに悪くなる可能性があります。遠視の場合、手術後に改善した視力は年齢と共に低下していくこともありえます。これは自覚的屈折検査(レンズを使用して行う調節麻痺薬使用前の検査)が調節麻痺薬を使用して行った屈折検査の結果と大きく異なっている場合に起こり得ます。
  • 長期的なデータはありません。レーシックは比較的新しい技術です。レーシック手術に使う最初のレーザー1998年に承認されました。そのため、レーシック手術の長期安全性および有効性は不明です。

 

以下項目を検討している場合のその他リスク:

  • モノビジョン法

モ ノビジョン法は、加齢とともに進行する眼の調節機能の低下である老眼の矯正のために使用される臨床技術の一つです。老眼患者にモノビジョン法を適用する目的は、遠距離距用に片眼を使用し、近距離用にもう片眼を使用させるためです。モノビジョン法は最初のコンタクトレンズ装用者で実践適用され、さらに最近で はレーシックや他の屈折手術に適用されています。コンタクトレンズによる矯正では老視患者は片方の目を遠距離用に矯正し、もう片方の目を近距離用に矯正し ています。同様にLASIKでも、老視患者の片方の目を遠距離用に、もう片方の目を近距離用に矯正するための手術が行われます。言い換えれば、手術の目標 は片眼に20/20(日本で言う1.0) 以下の視力にすることで、これは一般にLASIK手術による遠方視力矯正の 目標値とされています。片方の目を遠距離用に矯正し、もう片方を近距離用に矯正すると、2つの眼の両眼視機能が失われてしまいます。この結果、視覚の質と奥行きの感覚は低下します。モノビジョン法の影響は低照明条件下または非常に鋭い視力を必要とするタスクを実行する際に顕著になります。それゆえ視覚能力を 特に必要とする場合、例えば夜の運転や危険な装置の設置、細かい近距離の作業が必要な職業上のタスク(長時間細かい文字を読み続けるなど)遠距離や近距離 で完全な矯正をおこなうために眼鏡やコンタクトの装用が必要になるでしょう。

多くの場合、常に片方の目がぼやけた状態に慣れるのは困難で す。それゆえレーシックによるモノビジョン法を検討している場合は、実際に手術を行う前にモノビジョン法を許容できるかどうか確認するためコンタクトレンズで試用期間を経て確認してください。モノビジョン法が州の運転免許の要件を満たしているかどうかを調べる必要もあります。

さらに、将来自 分の老眼がどこまで進むかを考慮する必要があります。モノビジョン法手術後の視力で眼鏡やコンタクトの装用無しに近くの物が十分明瞭に見えなくなるのはい つ頃か、または近見視力をさらに矯正するための2回目の手術が必要となるのはいつ頃かを医師に聞いてください。

 

  • 両眼同時手術

レーシック手術を受ける際、一度に両目を手術するか片目だけ手術するか選択することができます。同日に両眼の手術を行う利便性は魅力的ですが、2度に分けて手術を行うよりリスクは増加します。

片目だけ手術することを決めた場合、患者と医師はもう片方の眼を手術する時期を決めることになります。両眼同時手術を行うか、または手術した片方の目が完全に治癒するまで待たずに手術を行う場合、患者と医師には最初の目への手術の効果を確認することができません。

両眼同時手術のもう一つのデメリットは、手術後に第一の治癒のプロセスが終了するまで両眼の視界がぼやけるということです。片眼ずつ手術を行った場合は、少なくとも片目は視界はクリアな状態になります。

 

  適切な医師を見つける
屈折矯正手術を検討している場合は、以下の点に注意してください:

  • 比較しましょう リスクとベネフィットの大きさは、手法ごとに異なるばかりでなく、製造業者による装置ごとの違いよっても、また医師ごとの特定の手法の経験の度合いによってもいくらか異なります。
  • コストだけで決定しない、最初に調べた眼科施設、医師、手術方法だけで決めてしまわないようにしましょう。自分の眼と屈折矯正手術に対して下した決断は、生涯影響を及ぼすことを忘れないでください。
  • "20/20(日本の1.0)にならなければ手術代金はお返しします"、または"特典つき"と宣伝しているクリニックには注意してください。医療には何の保証も無いのです。
  • (ハンドブックを)読みましょう屈折矯正手術用機器の製造業者が医師に配る患者向けハンドブックを読んでおくことは重要です。このハンドブックは医師から渡されるはずですし、ハンドブックに概説された研究結果と比較して自分のの手術の結果(成功および合併症)を医師は進んで説明すべきです。

最高に熟練した医師によるスクリーニングを受けても、患者に重篤な合併症が発生する場合があります。

  • 手術中。機械の不具合や、その他のミス、例えばLASIK手術中にヒンジ(フラップが角膜とくっついている部分)を残さずフラップを切り取ってしまうなどのミスが生じ、手術が中断したり、眼に修復不能な損傷が発生する場合があります。
  • 手術後。フラップが動いてしまったり、炎症または感染症などの合併症により、別の処置や点眼薬を用いた集中治療が必要になる場合があります。積極的に治療しても、そのような合併症により視力が一時的に失われたり、あるいは可逆不能な失明につながる可能性があります。

経験が豊富な医師の下で、(手術に対して)妥当な期待と、リスクや他の選択肢を理解し、念入りなスクリーニングされた患者は、屈折矯正手術の結果に満足する場合が多いです。

 

宣伝広告
「巧妙な」宣伝広告や「できすぎている」と感じさせるような宣伝広告には注意してください。彼らがいつもこの調子であることに注意してください。激しい競争のせいで、大量の宣伝広告が行われ、あなたの気を惹こうとしています。入念な下調べが必要です。

 

広告倫理について、してもよいこととしてはならないことの情報がもっとほしい場合や、違反広告について報告を行いたい場合は、以下のウェブサイトを探してみてください。

翻訳資料②FDA:どんな場合にレーシックは不適応なのでしょうか?

(FDA「When is LASIK not for me?」)

http://www.fda.gov/MedicalDevices/ProductsandMedicalProcedures/SurgeryandLifeSupport/LASIK/ucm061366.htm

屈折矯正手術に不適応である可能性が高い患者は以下のとおりです。

  • リスクテイカーではない場合(リスクを引き受ける覚悟が無い場合) 。特定の合併症は患者うち数パーセントには不可避なものであり、現在行われている手術について長期的データはありません。
  • あなたのキャリアが危うくなるかもしれません。一部の職種では、特定の屈折手術を禁止しています。手術を行う前に必ず雇用主/専門家集団/ミリタリーサービスに確認してください。
  • コストが問題となる場合があります。屈折矯正手術はほとんどの医療保険で適用の範囲外です。手術費用は安くなってきてはいますが、まだ高額です。
  • 過去にコンタクトレンズや眼鏡の処方の変更を必要としている場合。これは屈折率不安定性と呼ばれています。以下のような患者:
  • 20代前半またはそれ以下
  • 糖尿病などの病気のためにホルモン分泌量が変動している
  • 妊娠中または授乳中である
  • 視力の変動を引き起こす可能性がある薬を服用している

は屈折率不安定性を持っている可能性があり、医師と起こりうるその他のリスクについて話し合う必要があります。

  • 持病があるか、創傷の治癒に影響を与える可能性がある薬を服用している 。自己免疫疾患(エリテマトーデス、関節リウマチ等)や、免疫不全(HIV等)、糖尿病、およびいくつかの薬(レチノイン酸とステロイド等)の使用は屈折矯正手術後の傷の治療に影響を与えることがあります。
  • ボクシングやフットボールなど体をぶつけ合うスポーツに積極的に参加している。顔や目に打撃を与える場合が多いボクシング​​、レスリング、武道やその他のスポーツに参加している。
  • 未成年である。現在のところ、18歳未満の患者への使用を承認されているレーシック用のレーザーは存在しません。

注意事項
ある疾患の患者には屈折矯正手術(LASIK)の安全性と有効性は約束されていません。次のいずれかの病歴がある場合、医師と相談しましょう。

  • 単純ヘルペスまたは眼領域を含む帯状疱疹(帯状疱疹)。
  • 緑内障、緑内障の疑い、または高眼圧症。
  • ぶどう膜炎/虹彩炎などの眼疾患(目の炎症)
  • 目の怪我、または眼科手術の前歴。
  • 円錐角膜

その他の危険因子
医師は、以下のような条件やリスク指標で患者をスクリーニングする必要があります。

  • 眼瞼炎。まつ毛の痂皮とまぶたの炎症は、LASIK後の感染症や角膜の炎症のリスクを高める可能性があります。
  • 瞳孔の大きさ。瞳 孔の大きさは必ず暗い部屋で確認される必要があります。誰もがある程度の大きさの瞳孔を持っていますが、若い患者と特定の薬物を使用している患者は暗い部 屋では特に瞳孔が大きくなる傾向にあります。このことで手術後にグレア、ハロー、スターバースト、ゴーストイメージ(複視)などの症状が起こる可能性があ ります。一部の患者はこれらの症状により視機能が低下します。例えば、ある種の患者は患者は夜間や霧などの特定の気象条件で車を運転することができなくな る場合もあります。
  • 角膜が薄い。角膜は色のついた部分であるある虹彩の上にある薄い透明なカバーです。ほとんどの屈折矯正手術では、(例えば、組織の除去によって)角膜の形状を変え、眼内の焦点を変更します。薄い角膜に屈折矯正手術を行った場合、盲目になる危険性がある合併症が発生することがあります。
  • 以前に屈折矯正手術(RK、PRK、LASIK等)を受けたことがある。追加の屈折矯正手術は推奨されない場合があります。追加の屈折矯正手術を受けるかどうかの決定は個別の状況を慎重に検討した後に医師と相談の上で行わなければなりません。
  • ドライアイ気味である。レーシック手術は、ドライアイを悪化させる傾向があります。

 

翻訳資料③FDA眼科医向け広告規制レター

(FDA「FDA Letter to Eye Care Professionals (May 22, 2009)」)

URL:http://www.fda.gov/MedicalDevices/ProductsandMedicalProcedures/SurgeryandLifeSupport/LASIK/ucm154882.htm

アイケア専門家に向けたFDAレター(2009年9月23日)

食品医薬品局
医療機器·放射線保健センター
10903 New Hampshire Avenue
Silver Spring, Maryland 20993

アイケア専門家の皆様:

2009 年5月22日、食品医薬品局(FDA)は、LASIK手術を含む、屈折矯正手術において使用されるFDAが承認したレーザー機器のプロモーションや宣伝を 行うアイケア専門家に向け、手紙を発行いたします。この手紙はこの手紙は、2008年4月のFDA眼科デバイスパネルの公開会議で、FDAが受けた「アイ ケア専門家の広告やプロモーションがしばしばレーシック手術の適応や限界、危険性やこれらの手術で使用されるレーザーについての正しい情報を消費者に伝え られなかった」という情報を受けてのものであります。

FDAにはアイケア専門家による不適切な広告やプロモーションの報告が入り続けていま す。FDAはアイケア専門家に向けて、広告での十分なリスク情報の提供や、屈折矯正手術で使用されるFDAによって認可されたレーザー機器のプロモーショ ン、必要に応じてどこで情報を入手すればよいかを強調するため、書面での注意を継続して行っています。

FDAは、この通知と提供の追加情報 により、連邦食品医薬品化粧品法(FD&C法)に適合していないすべての広告や販促資料をアイケア専門家が矯正するために90日の猶予を与えます。90日 後、FDAは広告や販促資料がFD&C法に違反しているアイケア専門家に対し、規制措置を取る可能性があります。実際に行われる処置としては、文書での警 告、設備等の応酬、禁止命令、民事賠償請求などがあります。

屈折率で使用されるレーザー手順は、販売、配布、または時にのみ使用に制限され ていますこのような制限つきデバイスは、表示または広告に虚偽または誤解を招く恐れがある場合、FD&C法の下では不法表示となります。表示や広 告が誤解であるものかどうかを決定するためには、FDAはその他の要素として表示や広告でデバイスの限界やリスクに関連する情報が省略されいないかを考慮 しています。(21 USC§321(n)参照)​​。

制限されたデバイスやデバイスの使用によって起こりうる結果に関連するすべての広告や販促資料の中で適切かつ効果的に消費者に向けてリスク情報の開示を行うことは非常に重要です。 適切なリスク情報が含まれていない広告や販促資料は誤解を招く可能性があります。

アイケア専門家を含んだ制限つきデバイスに対して虚偽または誤解を招くの表示を行うすべての人間、またはデバイスの表示により虚偽または誤解を招いた場合は、FD&C法に違反し強制措置の対象となります。

FDAは、虚偽または誤解を招くような健康関連の広告と同様、虚偽または誤解を招く製品表現を除去することが国民の健康を守るため重要であ ると考えています。これらの規制されたデバイスの広告や宣伝用資料、またはオンラインでのプロモーションで、虚偽または誤解を招く可能性があるものに気づ いた場合、上記CDRHコンプライアンスオフィスのアドレスまで転送してください。この手紙に関するご質問は、(301)796-5732、 Deborah Wolf、規制弁護士、CDRH、コンプライアンス事務局まで行ってください。

FDAのウェブサイトには、屈折矯正手術用 にFDAによって承認された全てのレーザーのリストがあります。このサイトは、FDAの承認を受けた各レーザー、関連するリスク、利用目的の範囲について 情報を提供します。リスク情報には、副作用、警告、注意事項、および禁忌が含まれているかもしれません。レーシック手術の情報やレーシックに関する現在の FDAの活動情報は、FDAのレーシックのWebサイトに記載されています。

敬具。

Steven Silverman
ディレクター
コンプライアンスオフィス
Center for Devices and
Radiological Health